33 第24回劇作家協会新人戯曲賞受賞作『鎖骨に天使が眠っている』ドラマリーディング
8月15日(木)・17日(土) 19:00-21:00
犀の角
有料各500円 定員あり 要予約
アフタートークあり 15日=坂手洋二 17日=長田育恵
オーディションで選ばれた役者たちと演出家が、「犀の角」に7日間滞在して作品づくり。最新の新人戯曲賞受賞作をリーディング上演。
家族、友情、恋愛、紛争、性別等、様々なトピックを詰め込んだ本作『鎖骨に天使が眠っている』ですが、通低音として鳴り響くのは「言葉」の力です。「言葉」の力は絶大です。「言葉」は使い方を間違えると取り返しのつかないことになるのと同時に「言葉」によってしか取り戻せないものもあります。
リーディングですので舞台装置や音響、照明効果はありません。頼れるのは「言葉」だけ。もしかしたらリーディングという形式でこそ、この戯曲は真価を発揮するのではないか、そう思っております。(ピンク地底人3号)
作・演出=ピンク地底人3号
坂本透 …長澤拓真 (グンジョーブタイ)
桐野義男…薮田凜
桐野京子…山﨑到子 (0 Gravity)
桐野建人…岩下宏一 (Be yourself)
桐野一恵…伊藤えりこ (Aripe)
武田柚香…小飯塚貴世江 ((株)クリオネ)
緑川昌美…生駒由美子
緑川拓次…萬谷真之
ト書き …松永玲子 (ナイロン100℃)

長澤拓真

薮田凛

山﨑到子

岩下宏一

伊藤えりこ

小飯塚貴世江

生駒由美子

萬谷真之

松永玲子
第24回劇作家協会新人戯曲賞
審査員選評より
川村 毅
『鎖骨に天使が眠っている』が圧倒的に面白かった。(略) 作者が現実をどこまで取材、調査したのかはわからないが、実在の人物がドラマに乗る時とは、いくら実在人物といっても書かれた時点でそれはすでに虚構だ。悪気のない好奇心の枠内に止まらない疑問、どこまでが現実でどこからが虚構なのかという詰問がさして重要でないと説得できれば、劇における実在の虚構化は成功と呼べる。
土田英生
登場人物それぞれにはことさらにやさぐれた人間がいないにもかかわらず、京都、宇治川のほとりの地域が持つある種の空気が描き出されていることに感心した。唯一の理解者だった姉の一恵を失い、友人である透という逃げ場も断たれていく義男の不器用さが哀しく共感せずにいられなかったし「来週の花火大会、一緒に行こ? 約束な」という台詞には思わず泣いた。(後略)
マキノノゾミ
死者と生者である義男と透の邂逅から始まり、十年前の過去と現在を行き来しつつ、二人の青春の煩悶(=性自認の問題、友情、家族愛、生と死、等々)が淡々と変奏されてゆく。(略)冒頭から最後まで引き込まれ、自分の中の何かが無性にかき立てられた。現在の作者の創造意欲に勢いがあるからだと思う。
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『鎖骨に天使が眠っている』所収
優秀新人戯曲集2019
ブロンズ新社刊
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